健康に鋭い視点を持つ、意識の高い人を中心に注目を集めている水素水について、アスリート志向のみなさんにも耳寄りな情報が入ってきました。

WBC 世界バンダム級王者・山中慎介選手が練習の合間に水素水を愛用していると読売テレビ系「ダウンタウン DX」で明らかになりましたが、実は2012年に、アスリートと水素水に関する大学の研究チームによる臨床実験データが発表されていました。

その内容は、驚くべきことに運動の前の水素水による水分補給には筋疲労を改善するという画期的なものです。

運動の前の水素水による水分補給には筋疲労を改善する

筋疲労とは

まずは筋疲労について知っておく必要があります。

例えばウォーキングのような軽い運動では体内に取り入れた酸素で脂肪を燃やしてエネルギーにします。ですが、短時間に激しい運動を必要とする短距離走のような運動の場合は酸素を取り入れて燃焼していてはエネルギーが足りません。
ですから、負荷の大きな運動の場合は筋肉中にあるグリコーゲン(炭水化物)を分解することで自らエネルギーを生み出します。

この分解で発生するのが疲労物質「乳酸」です。

負荷の大きな運動後は疲労物質「乳酸」が発生!

乳酸は名前の通り酸としての性質を持っているので、もともと中性から弱アルカリ性である私たちの体内を部分的に酸性に傾けてしまいます。体が酸性に傾くと、様々な体の不調が発生します。
例えば、筋肉に指令を出す神経の伝達がうまくいかずに筋肉が力を出せなくなったりします。

運動前の水素水でパフォーマンスの向上

アスリートと水素水に関する大学の研究チームによる臨床実験データについて話を戻しますが、結論から言ってしまうと、

「激しい運動の前には水素水を用いて水分補給をすることで、筋疲労が改善される効果があることが示唆された」

というものです。
筑波大学の研究チームによる臨床試験データに基づいたもので、血液中の乳酸の上昇が統計学的に軽減されたということによります。

運動前

それでは、この筑波大学の研究チームが行った臨床試験とはどんなものだったのでしょうか。

水素水に関する臨床試験の内容

2012年に発表されたデータのタイトルは、「Pilot study: Effects of Drinking Hydrogen-Rich Water on Muscle FatigueCaused by Acute Exercise in Elite Athletes」。日本語訳すると「水素が豊富な水の飲用が一流運動選手の筋疲労に与える効果に関する試験的研究」です。

10人の年齢が20.9歳前後(範囲は前後に1.3歳)の現役のサッカー選手を対象に、運動前に水素水を飲ませた上で、運動負荷テストと血液検査を行いました。

どのように水素水を飲めばいいのか

では実際どのように水素水を飲んだかについてご紹介します。

試験前日に500mlの水素水を1本
試験当日に500mlの水素水を1本
試験開始直前具体的には運動の約10分前に500mlの水素水を1本

合計1500mlの水素水を運動前に飲みます。

運動前に合計1500mlの水素水

被験者は30分間の自転車エルゴメータによる75%の最大酸素摂取量の負荷をかけられ、その直後に最大等速性膝伸展運動の100回の反復の際のピークトルクや筋活動の測定を行いました。酸化ストレスマーカーは血液を経時的に採取し評価しました。トルクとは簡単に言うと回転力のことです。

試験は水素水製造用のスティックで用意した水素を豊富に含む水素水と、それとはまったく見分けがつかない特に効果のないスティックを用いた水を使い、クロスオーバー二重盲検法を用いて実施されました。

二重盲検法とは、特に効果のないもの(プラセボ)によって、プラシーボ効果(思い込み効果)を排除するために用いる手法です。このテストにおいては、どちらが薬効のある「被検薬」でどちらが薬効のない「プラセボ」であるかわからないようにすることを言います。

特に二重盲検とは、被験者に割り当てられた対象物を被験者はもちろんのこと、実施医師や臨床評価に関与するスタッフも知らないことを意味します。クロスオーバーとは時期を互いにずらして投与しそれぞれの結果を集計し評価する試験方法のことを言います。

水素水についての気になる結果は

この結果、急激な運動後、

普通の水を飲んだ場合は血液中の乳酸が上昇
水素水を飲んだ場合はその上昇が軽減した

という結果に。
またピークトルクは最大等速性膝伸展運動の反復により減少し筋疲労が示唆されましたが、水素水を飲んだ場合のピークトルクの減少は軽度でした。これにより、筋疲労によるパフォーマンスの低下について効果が示唆されたということです。
また、血液中の酸化ストレスマーカーであるReactive Oxygen Metabolites(d-ROMs)およびBiological AntioxidantPotential(BAP)には差が見られませんでした。

これらの結果から、さらに大規模の追試験が必要としながらも、激しい運動の前の水素水による水分補給には筋疲労を改善する効果があると示唆され、水素の豊富な水は運動選手の飲料水として適切であると思われたと締めくくられています。

アスリートは準備できるものはすべてやる

アスリートはその瞬間に最大のパフォーマンスを発揮するために、事前準備可能なあらゆることをやるものです。そう考えると

「運動前に水素水を飲む」という行為は、筋疲労を軽減できる効率的で効果的なものである

と言えます。

「運動前に水素水を飲む」=筋疲労を軽減できる という研究結果に!!

運動前に水素水を飲むだけ。
この特性から容易に想像できますが、今、競走馬の世界でも水素水は愛され広がりつつあるということです。