メダカや金魚のアクアリウムに水素水

人の健康や美容に良いと話題の水素水ですが、
「じゃあ、メダカや金魚の水槽に入れてもOK?」
「元気のない熱帯魚の水槽に入れれば元気になるの?」

と他の生き物にはどうなのか知りたくなります。

メダカや熱帯魚、水草などを楽しむアクアリウムに水素水を使うのはどうなのでしょうか。

観賞魚に水素水ってアリなの?

水素水は人が飲むと、抗酸化作用で体内の悪い活性酸素を除去してくれ、健康や美容などに役立ちます。

そこで気になってくるのが、
「人間以外の生き物の健康にも、果たして水素水は良いのだろうか?」ということです。

「水素水は人間の身体に良いのだから、きっと魚にも良いだろう!」
という安易な考えにより、観賞魚や水草がレイアウトされた水槽に水素水を使う人も近頃増えているようです。

でもそれって本当に、問題はないのでしょうか。

アクアリウムで生活する魚や水草にとって水槽の中の水は、とっても大事な生活環境そのものとなります。

例えば人が汚れた空気の中で生活していたら不健康になるように、魚たちも水槽の中の
水が不適切ならあっという間に健康を損ねます。

特に水の中で生活する生き物は、水質などの周囲の環境がほんの少し変化するだけで生命の危険にまで及びます。それほどデリケートなのです。

アクアリウムの水に水素水を使っても大丈夫かどうかはできるかぎり慎重に見極めなければいけません。

メダカや熱帯魚に適したPh値

水の性質を示す単位に「pH(ペーハー)」というものがあります。
メダカに適したPh値の表

pHとは水素イオン濃度のことを示し、日本の水道水は中性でpH7です。
その値から小さくなればなるほど性質は酸性になり、大きくなるとアルカリ性になります。

メダカや熱帯魚などの観賞魚・水草の飼育にマッチした水質は、多少の個体差はあるものの中性を軸に弱酸性から弱アルカリ性までだと言われています。

では、水素水のpH値はどうでしょうか。

水素水は、製法や商品によってpH値がそれぞれ少し異なります。
中にはアルカリ性に寄った性質の水素水もあるため、それらは鑑賞魚などには合っていないと言えるでしょう。

それ以外にも水素水自体の魚への影響はまだまだ未知の部分も多く、今のところアクアリウム用の水にはあまりおすすめできません。

魚が元気になった話って本当?

メダカや金魚のアクアリウムに水素水はだめ

インターネット上では、こんな驚きの体験談がささやかれています。

「水素水を水槽に入れたら、元気のなかった魚が元気になった!」という話です。

それは、どこまで信用できる話なのでしょうか。

最近では、犬や猫を対象としたペット用の水素水も販売されています。
活性酸素が多いとされる犬や猫に水素水を飲ませると、健康効果が期待できるようです。

犬や猫は人間と同じ哺乳類なので、水素水の効果を受けられると考えられます。

それに対して、観賞魚はというと
残念ながら今のところメダカや熱帯魚に使っても安心な水素水というのはありません。

一部ではメダカや金魚の水槽に水素水を入れたら寿命がのびた、という研究例もあるようですが、まだ魚への影響は詳しく分かっていないと言えます。

仮にもともと元気な魚が水素水の中でもそのまま元気に暮らせたとしても、元気のない魚が水素水のおかげで健康になるとは限らないのです。

中にはインターネット上にある体験談のように、飼っている魚が元気になった事例も本当にあるかもしれませんがその情報を鵜呑みにして、「じゃあ、うちの元気のないお魚ちゃんにも・・・」と不用意に試すことはリスクが大きいように思います。

アクアリウムと飼育水のエトセトラ

メダカや熱帯魚も、とっても大事なペットであり、生き物です。

わずかな環境変化によるストレスで、取り返しのつかないことになりかねません。

本来できることなら、自然に一番近い生活環境のアクアリウムを作ってあげて、飼ってあげることが何より一番でしょう。

ただ日本の水道水はカルキ抜きをすれば、魚や水草に適した水質へと簡単になります。
バケツに汲んで1日から2日ほどおいておけば、カルキは抜けていきます。
アクアリウム用の水は、魚への安全面でもその方法が無難と言えます。

しかし弱ってきている魚を見ると、
「なんとか助けてあげたい!」と思う親心や
「いつまでも元気に泳いでいてほしい」という気持ちから
「もしかしたら・・・」と水素水を選択したくなるのも分かります。

アクアリウムを愛するかたたちのためにも、鑑賞魚や水草に適した健康効果のある水素水の登場が待たれます。