気管支肺異形成症の論文
生まれたばかりの赤ちゃんが呼吸困難に苦しむ気管支肺異形成。
水素水は糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞などを抑制する効果があることが確認されてきましたが、新生児の疾患にも効果を発揮することが最近になって明らかにされました。

気管支肺異形成症はなぜ起こる?

気管支肺異形成症とは早産の新生児で、未熟な肺に感染や炎症がおきたことに起因する慢性的な肺の病気のことです。
未熟児で生まれた赤ちゃんの場合、生後すぐに呼吸のサポートが必要になります。
その際、人工呼吸器や酸素による治療を受けるのですが、皮肉なことに人工呼吸器で加えられる強い圧力や濃い酸素によって赤ちゃんの未熟な肺や気管支がダメージを受けてしまうのです。
すると分泌物が多くなり、無気肺が引き起こされます。
無気肺とは、分泌物などで気管支が詰まってしまい、肺胞がしぼんでしまうことを指しています。
無気肺となった部分のまわりの肺胞は逆に広がってしまうので、肺の中の空気の分布は均等ではなくなってしまいますし、肺胞が健全に成長することもできなくなってしまいます。
具体的にはぜんそくのような症状、たとえば咳、ヒューヒュー、ゼーゼーといった喘鳴(ぜんめい)があり、ひどい場合は呼吸困難に陥ってしまうこともあります。

水素が赤ちゃんの肺を救う?!

気管支肺異形成症の発症には酸化ストレスが関係しています。
水素には抗酸化作用があるので、酸化ストレスが原因で起こるさまざまな疾患に対して一定の効果があることがこれまで報告されてきました。
名古屋大学の発表によると、ねずみを使った実験で水素は気管支肺異形成の抑制にも効果的であることが確認されたのです。

具体的には、まず妊娠16.5日目の母ネズミに炎症を起こさせる物質を投与し、子ネズミの肺に故意に病気を起こさせました。
一方、母ネズミには妊娠9.5日から授乳期に至るまで、高濃度の水素水を飲ませました。
その結果、生後7日と生後14日の子ネズミには肺胞の異常な拡大が認められましたが、水素水の摂取でこれらの症状が弱まったことが確認されました。

生まれたばかりの赤ちゃんの呼吸が苦しくなってしまうのは、誰にとっても辛いものです。
新生児に関係することなので、特に安全性への配慮が重要になってきますが、これまでのところ水素には特に副作用が確認されていません。
今後の気管支肺異形成症の有効な治療法としても、水素には期待が持てそうですね。