水素が心筋梗塞に効く1
心筋梗塞や脳梗塞が原因で、病院の外で心肺停止に陥る人は
年間13万人にも上ると言われています。

仮に蘇生に成功したとしても、脳や心臓に後遺症が残ってしまうことで、
社会復帰を難しくさせているという辛い現実もあります。

水素は心筋梗塞にも効果を発揮することが最近の研究でも明らかになっていますが、
どんな関係があるのでしょう?

心筋梗塞と活性酸素の関係

心筋梗塞は動脈硬化や血栓が原因で血管がつまり、
心筋に血液が回らなくなって心筋が壊死(えし)してしまうという恐ろしい病気です。

もし蘇生できたとしても、「虚血後再還流障害」に見舞われてしまうかもしれません。

これは、血流が止まることで酸素不足になっていた組織に、
血流が再灌流することで起こる障害のことです。

心筋梗塞や脳梗塞などの血管トラブルなどで血流が止まってしまい、
酸素不足になっていた組織に、蘇生後急に血液が供給されると
活性酸素が生まれてしまいます。

そしてカラダ中に運ばれた活性酸素は、あちこちの細胞を破壊し、
これが後遺症の原因となるのです。

水素が心筋梗塞と後遺症を軽くする?

水素が心筋梗塞に効く2
2008年に慶應義塾大学医学部が発表した論文によると、
脳梗塞や心筋梗塞を起こしたねずみを使った実験で、
水素ガスを吸わせながら詰まった血管を拡張させて血流を再開させたところ、
「虚血後再還流障害」を抑制し、
結果として脳梗塞や心筋梗塞の症状を軽くできることが明らかになりました。

水素の分子量は2と極めて小さいので(ちなみにビタミンCの分子量は176)、
血管が詰まっていても組織に浸透させることができますし、もちろん脳にも届きます。

そして、悪玉活性酸素と結びついてこれを無害化してくれるのです。

さらにこの研究を進めた慶應義塾大学医学部が2014年に発表した論文によると、
心肺停止後蘇生され、心拍の再開が確認されたねずみに水素ガスを吸入させたところ、
生存率が改善し、脳機能の低下を抑制できることも明らかになったのです。

つまり、悪玉活性酸素を無害化する水素の働きで、心筋梗塞自体だけでなく、
蘇生後の後遺症も軽症化できることも明らかになったのです。

ちなみに、この治療法で使われる水素の濃度は1.3%なので、
爆発などの危険性はないとのことですよ。